レジデンシー東京

  • プログラム名称:CFMD家庭医療学レジデンシー・東京
  • プログラム責任者:喜瀬守人  久地診療所 所長
    家庭医療学開発センター(CFMD) 副センター長
  • 基幹施設:川崎医療生活協同組合 久地診療所(神奈川県川崎市高津区)http://kujiclinic.jp/
  • 連携施設:
    あさお診療所 (神奈川県川崎市麻生区)http://www.asao-shin.jp/
    川崎セツルメント診療所(神奈川県川崎市幸区)https://kawasaki-settlement.jimdofree.com/
    川崎協同病院(神奈川県川崎市川崎区)http://www.kawasaki-kyodo.jp/
    生協浮間診療所(東京都北区)http://www.t-hokuto.coop/clinic/ukima/
    北足立生協診療所(東京都足立区)http://kitaadachi-clinic.info/
    王子生協病院(東京都北区)http://oujiseikyo-hp.jp/
    上井草診療所(東京都杉並区)https://kamisinn-clinic.jimdo.com/
    和田堀診療所(東京都杉並区)https://www.wadabori-clinic.info/
    大井協同診療所(埼玉県ふじみ野市)https://ohikyoudou.mcp-saitamawest.jp/
    埼玉協同病院(埼玉県川口市)http://kyoudou-hp.com/
    利根中央病院、坂総合病院、沖縄県立宮古病院、水戸協同病院、川崎市立多摩病院
    東京慈恵会医科大学病院

ユニークかつ先進的なレジデンシー東京
2005年に家庭医療学開発センター(Centre for Family Medicine Development:CFMD)を設置、CFMDを中心に家庭医養成のための後期専門研修(レジデンシー)プログラムが構築されました。
レジデンシー・東京は、「家庭医療/総合診療のリーダーを養成するというミッション」を掲げ、2020年度現在、34名の卒業生が家庭医療専門医として活躍しており、7名のレジデントが家庭医療を学んでいます。
また、指導医は現場での家庭医療の実践だけではなく、在宅医療やウィメンズヘルス、医学教育などさまざまな領域で活躍しています。
家庭医療学を学ぶのに非常に適した医療生協の診療所をベースとした、ユニークかつ先進的なレジデンシーです。

レジデンシーの特色

医療福祉生協は、地域に根ざした医療・福祉・介護施設を複数有しており、小児から高齢者まで幅広い年齢・階層を対象とした包括的な健康サービスを提供しています。本プログラムは大都市の教育診療所を基盤としており、大都市圏の大きな特徴でもある、地域における健康格差の拡大、患者層や疾患の多様性、今後予想されている高齢者人口の爆発的増加に対応できる総合診療専門医を養成することを目指しています。
経験豊かで優れた指導医陣が揃い、レジデントは家庭医療/総合診療のロールモデルと出会い、研修を積むことができる体制を整備しています。また、診療所における研修の期間も長く、都市部の個性豊かな診療所での経験を積むことができます。
過去のプログラム修了者の半数にあたる14名は女性であり、妊娠中の研修内容の軽減等柔軟な対応を行っています。

プログラムの特徴

1. Horizontal Curriculum地域に貢献できる家庭医となる観点から以下の内容を4年間のプログラムを通じて一貫し実施する。

  • 診療所における継続外来(2年間のone -day-backと 18ヶ月の診療所固定)
  • レジデント・デイ (月1回 1か月の振り返とClinical Jazz、診療のビデオレュー、CbD)
  • レジデント・セミナー (月1回 家庭医療/総合医療のコアとなる領域集中セミナー)
  • プロジェクト・ワーク (学会発表、診療所での QI )

2. 地域中小病院研修地域内医療・福祉との多施設連携による外来・入院医療を経験することができる。外来の虚弱高齢者ケアをはじめ、在宅ケア導入・緩和ケアについても充分な症例を経験できる。

3. 救急研修年間2万件を超えるウォーク・インER研修を通じ、多彩な事例を担当することで、急性疾患のスキルとマネジメント能力を獲得する。

4. 小児研修地域密着型の小児外来・入院医療を通じ、検査の要否や緊急性判断、入院の要否の判断、入院時に必要な初期対応を学ぶ。また、診療所外来を含めワクチンに関する知識、感染症の対応など学校や園での疾患管理についても学ぶことができる。

5. 指導体制に関する特長

  • 4年間教育診療所所属
    所属は教育診療所とする。ローテート研修中であっても後期研修の拠点は1か所の教育診療所とし、継続的外来を保証し、所属先の指導医が現地での指導にあたる。
  • プログラムの管理
    レジデンシー・東京運営委員会を指導医、事務で構成。また、所属診療所の事務長、連携施設の研修担当事務との協働により、複数法人にまたがった診療所基盤型の専門研修を可能にし、レジデントの家庭医/総合診療医としてのアイデンティティを常に保証することができる。
  • 多彩な外部ファカルティー
    外部のアドバイザーとのネットワークから、臨床疫学・生物統計学、EBM、医学教育、医療政策、医療経済、プライマリ・ケア研究のスペシャリストにファカルティーを依頼し、より質の高い研修を可能にしている。
  • Key Features
    多領域の問題解決能力が求められるプライマリ・ケアにおける臨床家が、絶対抑えておかねばならないこと(key features)はなにか、を問う試験を年1回実施。

研修ローテーション(例)

研修期間:4年プログラム

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 家庭医療専門研修Ⅰ(総診Ⅰ同時研修) 家庭医療専門研修Ⅱ(総診Ⅱ同時研修)
レジデンシー・東京 教育診療所 川崎協同病院/王子生協病院/埼玉協同病院/他
1日/週 所属診療所へのワンデイバック
2年目 小児研修 救急研修 その他:緩和研修 その他:選択
川崎/埼玉/多摩 慈恵/埼玉/坂/多摩 王子生協病院 エレクティブ
1日/週 所属診療所へのワンデイバック
3年目 内科研修
宮古/利根/水戸/坂(川崎)/(埼玉)/(多摩)
1日/週(1日/月) 所属診療所へのワンデイバック
4年目 家庭医療専門研修Ⅰ(総診Ⅰ同時研修)
レジデンシー・東京 教育診療所
1日/週 ワンデイリリース

修了生・専攻医からのメッセージ

History,Story,PhilosophyのあるCFMD東京でともに学び、成長しましょう

レジデンシーディレクター 喜瀬 守人

「CFMDってどんな組織なんですか?」と、色々な方から尋ねられます。CFMDは、家庭医・総合診療医を育てるために結成された組織で、東京だけではなく、東海・近畿・せとうち・東北・山陰にも後期研修プログラムが存在します。
CFMD東京は、東京を中心に神奈川・埼玉に多くの教育診療所と多くの指導医が所属し、専攻医やフェローの教育、診療所間のネットワークを活かした研究に力を入れています。また、お互いが緩くつながりながら、自分のやりたいことを自分のペースで、自由に学び成長していくという組織文化があります。診療だけではなく、教育、研究、管理運営など、さまざまな学びと成長の手段がCFMDにはあります。
共に学び合い成長することで日本の家庭医療の発展に寄与したいと考えている方はぜひ、CFMDに参加して下さい。
お待ちしています。

 

教育やリサーチの推進にも注力

指導医 渡邉 隆将

  • レジデンシ―修了2009年
  • リサーチフェローシップ修了

僕自身、家庭医療のリサーチにも関わっていますが、CFMDでは教育や質改善、リサーチの推進に力を入れており、お互いに協力しあうことで診療だけでなくこれらの活動を通して多くの方々に貢献することができるところにとてもやりがいを感じています。

しっかり時間をかけた毎月の振り返り

指導医 斎木 啓子

  • レジデンシ―修了2009年
  • リーダーシップフェローシップ修了
  • 在宅医療フェローシップ修了

CFMDでは、毎月しっかり時間をかけて、学年毎に1ヵ月の振り返りを行っています。レジデントが自分の研修の進行状況を把握して、次の目標を設定しやすくなるのは勿論のこと、指導医にとっても、他の指導医から指導方法を習得出来たり、レジデントを通して研修を疑似体験出来たりと、自身の生涯学習に有用だと感じています。

月に一度のレジデント・デイが貴重な学びの場

指導医 石川 美緒

  • レジデンシ―修了2012年
  • 在宅医療フェローシップ修了

レジデンシーで得たものの中で一番大きいのは、やはり「振り返り」だと思います。日々の診療の中で、正解の無いグレーゾーンを手探りで進まねばならない辛さを感じる機会が多くありますが、構造的な振り返りを行うことで、頭も心も整理されるという経験を得ました。月に一度のレジデントデイは、とても貴重な学びの場でした。

病気を診ないで人を診る大切さ

指導医 富永 智一

  • レジデンシ―修了2012年

初期研修医のころより家庭医・総合医を目指し後期研修ではCFMDを選びました。大学院・博士取得コースとして後期研修を開始。医学博士も取得することができましたが、何よりも医学という学問をどう現場の医療と結び付けていくのか。病気を診ないで人を診ることとはどんなことかを後期研修で学ぶことが出来ました。

複数の診療所から構成されるプログラム

指導医 清田 実穂

  • レジデンシ―修了2012年
  • リーダーシップフェローシップ修了

家庭医にとって、教育の現場というのはとても重要ですが、CFMDのレジデントデイやレジデントセミナーなどの場は、教育の場であるとともに、自らの学びの場でもあります。複数の診療所からできているプログラムであるからこその気づきもあり、とてもやりがいがあります。若手からベテランまで揃っていますので、一人ひとりの視点の違いの積み重ねが大きな変化につながるのが楽しく感じられる場です。

診療所ベースのプログラム

孫 大輔

  • レジデンシ―修了2011年

卒後8年目の頃、腎臓内科医だった私は「全人的医療をやりたい」と思い、家庭医療学の魅力を知り、家庭医への転向を決めました。研修先を選ぶに際し、診療所ベースのプログラムであるということ、何より藤沼先生という謎に満ちた(笑)グレートな家庭医がいる、などが決め手となりCFMDを選びました。研修で学んだことは医学教育者となった現在でも大きくいかされています。

たくさんの指導医や専攻医がいること

専攻医 島 直子
たくさんの指導医やレジデントがいるCFMDの魅力は教育環境が充実していること!レジデントデイでのCBD, clinical jazz、レジデントセミナーなど豊富な教育を受け、安心安全な環境で家庭医療専攻医に必要な知識を深めていくことができます。また、同期との振り返りでは多くの刺激を受けています。