レジデンシー・せとうち
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プログラムを展開する場や医療施設の地域背景や特長
地方都市の近郊に位置する小規模病院を基幹施設としています。ここは日本一小さな初期研修の基幹型病院でもあります。都心部に先行して高齢社会に直面しており、且つ小児から比較的若年層まで受診者層は幅広く、医療・福祉・保健のニーズも多様ですのでそれに応える能力を習得できる環境にあります。地域立脚型小規模病院の特色を生かして、外来・入院・在宅をバランス良く効率的・効果的に提供できる能力を獲得します。
限られた研修資源を最大限有効活用して、未だ少ない総合診療専門医を目指す専攻医の研修を保証するため県境・瀬戸内海を超えて連携を結び広域プログラムを運営してきました。
連携施設である各地の診療所は古くから立地しており、大半がその地域の住民運動により設立された歴史を持ち合わせています。地域住民の並々ならぬ思いが注がれていて、運営にも住民(医療生協組合員)が関わっています。地域ケアの研修のために診療所の外に目を向ければ、地域住民を中心にフィールドがすでに存在している環境です。各地の固有の背景に応じた診療を提供しています。総合診療専門研修はこれら基幹施設と診療所を中心に行われます。
2017年日本プライマリ・ケア連合学会学術集会でのプログラム紹介
「あなたにとっての家庭医・総合診療医像」
を書いて貼ってもらいました。
毎年、ポスターの枠に収まりきらない画期的なプログラム紹介に挑戦しています。
プログラムの理念、全体的な研修目標
日本医療福祉生協連家庭医療学開発センター・CFMDは以下の3つのコンピテンシーを備える総合診療医を養成します。
①地方都市近郊型/準医療過疎地区型の診療所における質の高い非選択的外来診療ができる能力。特にせとうちでは地域立脚型中小規模病院において外来のみならず、質の高い非選択的入院診療ができる能力。
②24時間対応を原則として、急性期および緩和ケア対応が可能な在宅診療ができる能力。
③地域の健康度の向上をめざした、特定の人口集団へのケアが実施できる能力。
CFMDのレジデンシープログラムは、地域基盤型医学教育を実践し、プログラムの質改善に常に取り組みます。家庭医療に関する研究活動を活発にすすめ、家庭医療学の発展に寄与することを目標としています。総合診療専門医に求められるコンピテンスを勘案し、内科、老年医学、小児科(小児保健)の比較的深い知識と技術の獲得を強調したスケジュールを組織します。また精神科領域については、老年医学、行動科学、psychosocial medicineとして通年的に学ぶ課題として設定します。
社会医学的視点を持ち、いわゆる社会的弱者の権利を保護する責任を自覚し、そのための方略を獲得します。
研修期間を通じて行われる勉強会・カンファレンス等の教育機会
- 週2回、入院患者のカンファレンス
- 毎週、外来のふりかえり
- 毎月、家庭医療倶楽部と称する、全体のふりかえり。臨床研究のためのリサーチカンファレンス。
- 隔月、せとうちの専攻医、指導医が集まるふりかえりの会。家庭医療/総合診療の講義やワークショップでの学び、経験省察研修録の作成支援。指導医へのFD(ファカルティ・ディベロップメント)も兼ねている。
- ビデオレビュー、論述試験
- 医療生協組合員宅、公民館、幼稚園、学校、等、地域での健康増進活動
- 院内外問わず、様々な場所での教育(学生、研修医、他専門職対象)
- 診療所や中小規模病院、地域フィールドにおける研究

専攻医振り返り会(2月に1回)

振り返りの会での指導医によるレクチャー

専攻医による研修報告

学会等での発表
専攻医の評価方法
形成的評価
- 研修手帳の記録及び定期的な指導医との振り返りセッション
- 経験省察研修録(ポートフォリオ)作成の支援を通じた指導
- 経験省察研修録(ポートフォリオ)の発表会
- 実際の業務に基づいた評価
- 多職種による360度評価
- 他の専攻医との間で相互評価セッション
総括的評価
- 各科研修終了時、指導医より関連した評価を行う。
- 年に3回の研修プログラム管理委員会により評価を行う。
ローテーションのスケジュールと期間と研修施設 (全研修期間:4年間)
総合診療 専門研修 | 総合診療専門研修Ⅰ ( 12~18 )カ月 ※伊予診療所12ヶ月は必須 | 総合診療専門研修Ⅱ ( 6~12 )カ月 | ||
|---|---|---|---|---|
領域別 研修 | 内科 ( 12 )カ月 | 小児科 ( 3 )カ月 | 救急科 ( 3 )カ月 | 選択 ( 6 )カ月 |
総合診療Ⅰ
伊予診療所(愛媛県伊予市)、新居浜協立病院(愛媛県新居浜市)、善通寺診療所(香川県善通寺市)
玉島協同病院(岡山県倉敷市)、宇部協立病院(山口県宇部市)、高知生協病院(高知県高知市)
総合診療Ⅱ
愛媛生協病院(愛媛県松山市)、高松平和病院(香川県高松市)、岡山協立病院(岡山県岡山市)
水島協同病院(岡山県倉敷市)、福島生協病院(広島県広島市)、生協さえき病院(広島県広島市)
内科
高松平和病院(香川県高松市)、岡山協立病院(岡山県岡山市)、水島協同病院(岡山県倉敷市)
小児科
愛媛生協病院(愛媛県松山市)、水島協同病院(岡山県倉敷市)
高松平和病院(香川県高松市)、へいわこどもクリニック(香川県高松市)
救急科
愛媛県立中央病院(愛媛県松山市)
その他選択科
外科・整形外科・精神科:愛媛生協病院(愛媛県松山市) 産婦人科:愛媛労災病院(愛媛県新居浜市)
研修スケジュールの一例 (多くの連携施設があるため、いろんな組み合わせができます)
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
1 年 目 | 施設名 | 水 島 協 同 病 院 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → |
領域 | 内科 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | |
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
2 年 目 | 施設名 | 愛 媛 生 協 病 院 | → | → | 愛 媛 労 災 病 院 | → | → | 愛 媛 生 協 病 院 | → | → | 愛 媛 県 立 中 央 病 院 | → | → |
領域 | 選択 (その他) | → | → | 選択 (産婦) | → | → | 小 児 科 | → | → | 救 急 科 | → | → | |
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
3 年 目 | 施設名 | 愛 媛 生 協 病 院 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → |
領域 | 総 診 Ⅱ | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | |
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
4 年 目 | 施設名 | 伊 予 診 療 所 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → |
領域 | 総 診 Ⅰ | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | |
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
1 年 目 | 施設名 | 水 島 協 同 病 院 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → |
領域 | 内科 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | |
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
2 年 目 | 施設名 | 愛 媛 生 協 病 院 | → | → | 愛 媛 労 災 病 院 | → | → | 愛 媛 生 協 病 院 | → | → | 愛 媛 県 立 中 央 病 院 | → | → |
領域 | 選択 (その他) | → | → | 選択 (産婦) | → | → | 小 児 科 | → | → | 救 急 科 | → | → | |
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
3 年 目 | 施設名 | 愛 媛 生 協 病 院 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → |
領域 | 総 診 Ⅱ | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | |
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | ||
4 年 目 | 施設名 | 伊 予 診 療 所 | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → |
領域 | 総 診 Ⅰ | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | → | |
募集要項
| 募集資格 | 【総合診療専門研修プログラム】 原則として2年間の厚生労働省指定の初期臨床研修を修了(見込み)した医師 【新・家庭医療専門研修プログラム】 原則として2年間の厚生労働省指定の初期臨床研修を修了(見込み)した医師※ 総合診療専門医を取得(見込み)した医師 ※総合診療専門研修プログラム研修も新・家庭医療専門医の研修としてカウントされますので、初期研修終了後、最短4年間で両方の専門医を取得できます。 |
|---|---|
| 募集定員 | 3名 |
| 応募方法 | 下記の書類提出による |
| 提出書類 | ・総合診療医専門研修プログラム応募申請書 ・履歴書 ・医師免許証(写し) ・医師臨床研修修了証(写し)(未修了者は修了見込証明書) |
| 提出方法 | 下記申込先まで郵送またはメールにて |
| 選考方法 | 提出書類、病院見学、面接試験 |
| 採用スケジュール | 専門医機構のスケジュールに準じ、採用面接の日程は個別に対応 |
| 申し込み・ 問い合わせ先 | 愛媛医療生活協同組合 愛媛生協病院 医師研修担当 大西 (CFMD家庭医療学レジデンシーせとうち事務局) 〒791-1102 愛媛県松山市来住町1091-1 TEL:089-976-7001 FAX:089-976-7029 E-mail:m-onishi@ehime-med.org |
募集要項
※各研修施設の規程・就業規則による(下記は愛媛生協病院の場合)
| 基本給 (医師手当込) | 3年次406,600円/月 5年次493,600円/月 賞与あり |
|---|---|
| 手当 | 時間外手当、日当直手当、住宅手当、家族手当、勤務手当、年末年始勤務手当 |
| 保険 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険 |
| 勤務時間 | 平日8:45~17:00 土曜8:45~13:00 (日当直・救急あり) 4週6休制 年次有給休暇(初年度10日間)、夏季休暇4日、年末年始休暇5日 |
| その他 | 就業規則を適用 |
メンバー紹介
指導医
①名前:原 穂高(はら ほたか)
②所属:愛媛医療生活協同組合 愛媛生協病院
③身分:副院長
内科・家庭医療科部長、プログラム責任者
プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア認定医、指導医
④コメント
八十八カ所霊場を巡礼する四国遍路で知られる四国、風光明媚な道後温泉を擁し、路傍には俳句ポストが立つ。いで湯と文学の街、松山。ミカンだけじゃないです。
お遍路には同行二人(どうぎょうににん)という言葉がありまして、遍路修行の旅は常に弘法大師がともに歩んでいる、という考えです。専門研修はある種の修行のようなものですが、うちのプログラムで研修している間は決して一人にはしません。
海のことは漁師に問え、山のことは樵夫に問え。との言葉もあるように、家庭医療のことは家庭医に学びましょう。
①名前:谷本 浩二 (たにもと こうじ)
②所属:愛媛医療生活協同組合 新居浜協立病院
③身分:副院長
プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア専門医、指導医
④コメント
1995年 愛媛大学医学部を卒業
初期研修を開始した、新居浜協立病院でほぼ毎日外来をしています。
患者さんとの出会いを通して、様々な学びがあります。
家庭医療、総合診療を学ぶ専攻医の先生方と、外来や病棟、訪問診療での出会いを通してこの専門領域の魅力やスキル、知識や、リサーチを含めた探求について共に学ぶことを楽しみにしております。
趣味はバーベキューで主にベーコンや丸どり、スペアリブといった塊肉を3-6時間いぶしてます。
ときどき、肉フェスを開催してます。
①名前:舟戸 督力 (ふなと まさかつ)
②所属:愛媛医療生活協同組合 伊予診療所
③身分:所長
日本専門医機構認定総合診療専門医、指導医
プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア専門医、指導医
④コメント
こんな先生に来てほしいです。
1.教わりたいのではなく学びたい先生
お互いに成長しあいましょう
2.プライベートな時間を大事にする先生
OFFの時間を楽しみましょう
3.様々な地域を経験したい先生
それなりの田舎を味わいましょう
①名前:山本 美奈子(やまもと 美奈子)
②所属:愛媛医療生活協同組合 伊予診療所
③身分:プライマリ・ケア連合学会認定プライマリ・ケア専門医、指導医
④コメント
瀬戸内海と四国山地に囲まれた自然豊かで気候が温暖な伊予市は、削り節の生産量が日本一で、稲作やみかん、キウイ、ビワなどの栽培が盛んな地域です。その地で開設60年を迎えた伊予診療所は、外来診療、訪問診療だけでなく、16床の介護医療院、3床の医療療養病床を持ち、医療度が高く様々な事情で自宅や施設へ帰ることが難しい方のケアも行っています。併設のデイケアやごしき在宅ケアセンター(訪問看護)と連携し、地域の人たちの予防医療と健康増進、疾病治療、要介護となった場合の環境調整、終末期医療など、それぞれのライフステージにおいて必要とされる医療や支援を行っています。
患者さんに「先生、わしを最期まで診てくれよな」と言われ「もちろんですよ」と答えられることが、家庭医としての私の喜びです。医師ひとりでできることは限られますが、チームでなら大抵のことはできてしまうのではないか?それを実感できる研修だと思っています。患者さんの背景に興味・関心をもち、多職種と協力しながらその人生に寄り添えることに、やりがいを感じてほしいです。
チューバも吹ける所長、愛媛生まれの愛媛育ちで熱烈なベイスターズファンの指導医(私です)、その他個性豊かなスタッフがそろった伊予診療所での研修は、きっと楽しく実りあるものになると思います。
ご興味のある方は、ぜひ見学に来てくださいね。