レジデンシー 近畿

医療生協家庭医療学レジデンシー・近畿  ver.1、ver.2.0

都市型・地域型診療所を拠点とし、自己主導型学習(Self-directed learning)による家庭医の研修を行います。研修の3年間で家庭医の基礎および一部の発展的な要素を学び、その後、生涯学び発展し続ける家庭医をめざします。レジデンシー修了後、日本プライマリ・ケア連合学会専門医認定試験の受験資格が与えられます。
2013年度からはじまったCFMDの4つめのレジデンシーです。近畿で家庭医になる研修を受けたい方、ご質問などある方、見学ご希望の方など、お問い合わせください。

研修の目標

  1.  医師としてEBMや予防医療を重視したよく訓練された臨床能力をもち、地域保健医療活動への参画を重視する視点を身につけ、都市部診療所において、非選択的な外来医療、在宅診療、保健予防活動をバランスよくおこなえる家庭医療専門医に必要なコンピテンスを獲得すること。
  2.  指導医として学習者中心の臨床教育を実施できるようになる。
  3.  研究者として臨床疫学、行動科学、地域指向性プライマリケアに関する研究や実践の基礎的能力をもち、地域の健康問題に対して科学的な視点でアプローチできる。
  4.  生涯学習者として自己決定型学習を実施できる。常にアップ・トゥ・デイトな情報にアプローチでき、EBMを実施しつつ、反省的実践家としての家庭医らしい生涯学習をおこなうことができる。
  5.  さまざまな地域プロジェクトにかかわり、リーダーシップを発揮することができる。
  6.  仲間として常に協同で学び、チームの一員としてその責任と役割をはたすことができる。
  7.  医療生協の発展に寄与するとともに、地域との様々な協同をすすめ、さらに世界の地域医療に貢献することができる。健康感・公平・正義などの価値観を涵養し、住民の主体形成への支援的かかわりができる。

カリキュラムの概要

研修期間:3年間
都市型診療所を拠点とする家庭医に求められるコンピテンスを勘案し、内科、老年医学と小児科(小児保健)、緩和ケアの比較的深い知識と技術の獲得を 強調したローテーションスケジュールを組織する。また、整形外科領域や皮膚科領域などは、個別ローテートでは設定せず、教育診療所研修期間中に可能な形と する。また精神科領域については、行動科学、psychosocial medicineとして通年的に学ぶ課題として設定する。

ローテーションスケジュール例

Horizontal Curriculum(標準型)
1年目 地域研修病院における総合内科研修
所属診療所へのワンデイ・パック(外来・往診)
2年目 小児研修 緩和ケア 僻地医療・救急医療 etc
所属診療所へのワンデイ・パック(外来・往診)
3年目 教育診療所での外来・往診
通年エレクティブ(整形外科、皮膚科、ウィメンズヘルスなど)

研修施設

教育指定診療所
(4ヶ所)
たじま医療生活協同組合 ろっぽう診療所  藤井高雄
医療生協かわち野生活協同組合 はなぞの生協診療所  石井大介
やましろ健康医療生活協同組合 あさくら診療所  河本一成
尼崎医療生活協同組合 本田診療所 森敬良
主たる研修病院群
(2ヶ所)
尼崎医療生協病院(内科、小児科、産婦人科、緩和ケア/兵庫県尼崎市)東大阪生協病院(内科、リハビリ/大阪府東大阪市)

カリキュラムの特徴

Horizontal Curriculum

地域に貢献できる家庭医となる観点から以下の内容を3年間のプログラムを通じて一貫して実施する。

  1. 診療所における継続外来・在宅診療(one-day back)
  2. レジデント・デイ(1ヶ月の振り返りとClinical Jazz)
  3. レジデント・セミナー(家庭医療のコアとなる領域の集中セミナー)
  4. プロジェクト・ワーク(プライマリ・ケア領域に関する研究プロジェクトを行う)

3年間教育指定診療所所属

所属は教育指定診療所とする。活動拠点はローテート研修先にかかわらず1カ所の教育指定診療所とし、家庭医のメンターをもつ。なお、プログラム管理は、医療福祉生協連 家庭医療学開発センターが行い、プログラム管理委員会を関連科の代表者で構成することにより、多くの法人にまたがった診療所基盤型のレジデンシーの構築を可能にしている。

質の高い形成的評価と総括的評価

  1. 日本家庭医療学会に準拠した研修目標に医療生協独自の研修目標を勘案した23領域におけるエントリーにより構築されたポートフォリオによる総括評価を行う。またこのポートフォリオ作成のモニタリングとサポートを定期的に実施する。
  2. 家庭医療専門医は広範囲の健康問題に関し網羅的な知識を必要とするため、シニア1、2学年終了時点でのMEQ(Modified Essay Question)を中心としたITE(In training Examination)を行う。
  3. レジデンシー修了後、日本プライマリ・ケア連合学会専門医認定試験を受験する。

メンタリングとサポートシステム

管理システムから独立したメンタリングによるサポート体制を家庭医療学開発センターが保障する。

  1. ミニ・フェローシップ主としてシニア3年目でミニ・フェローシップ(通年的エレクティブ、週1単位)を選択できる。医学教育、行動科学、皮膚科、整形外科等
  2. 多彩な外部ファカルティー家庭医療学センターが蓄積している外部のアドバイザーとのネットワークを活用する。臨床疫学、EBM、医学教育、生命統計学、医療政策、医療経済のスペシャリストに指導医陣に加わっていただくことにより、より質の高い研修を可能にしている。